地球社会統合科学府

学府について

学府の特色

KEYWORDのスペクトラムに表現された研究領域を6つのコースに編成
包括的地球科学コース

包括的地球科学コースでは、固体地球という一つの惑星を様々な観点から見つめ、その変動過程を包括的に研究しています。“地球進化”・“生命進化”・“環境変動”を研究の骨格に据え、国内はもとより世界各地でのフィールドワークを実施しています。

♦ 地球深部から大気圏まで、地球46億年の軌跡を包括的に科学する

地球誕生から45.6億年が経過し、現在私たちが見る山や谷は、様々な地質から構成されています。これらの地球表層に分布する地質は、半径6400kmを有する地球にとって、とてもちっぽけなものではありますが、過去の地下深部〜表層環境までの様々な変動過程の“痕跡”を保持しています。 私たちは、世界各地で野外地質調査を行い、最先端の精密分析装置を駆使して、その“痕跡”から過去40億年の地球成長プロセスを解析しています。地質に隠されている地球進化・生命進化・環境変動に関する“痕跡”を一緒に探してみませんか?

包括的地球科学コースの主な野外調査フィールド。これらのほかに多数の国内フィールドもあります。

♦ 包括的地球科学コースでは何が学べる?

本コースでは、フィールドワークと呼ばれる野外地質調査を重視します。フィールドワークは、一般的な車と徒歩での調査が主流ですが、時には掘削船による海底ボーリングやスノーモービルとヘリコプターを使った極地調査、ラクダや馬を使った高地調査まで、それぞれのフィールドにより調査方法は様々です。野外より採取した試料については、国際的にも屈指の精密解析装置群を駆使して、データを採取・解析し、随時最先端の研究成果を公表しています。これらの野外調査〜精密分析には、大学院生も積極的に参加し、フィールドワークやマネージメント能力、精密分析によるデータ取得とデータ解析、そのための基礎能力を習得します。また、大学院生も教員と同様に学会発表や論文によって、数多くの成果を公表しています。このように、包括的地球科学コースは、世界屈指の精密分析装置を保有しながらも、世界最前線の数多くのフィールドを調査し続けています。大学院生に対しては「やりたいことが見つかる、やりたいことができる」を合い言葉に、コース全体で日々新しいテーマの開拓と分析手法の開発を行い、最先端の地球科学研究集団としてあり続けることを目標としています。

  1. 主な分野

    地質学、地球物理学、岩石学、鉱物学、層位・古生物学、古気候学、地質年代学、環境保全学、南極地質学など。

  2. 現在の主な海外フィールド

    モンゴル、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インドネシア、マレーシア、インド、スリランカ、ネパール、アフガニスタン、ロシア、イラン、フィンランド、ドイツ、スウェーデン、アルジェリア、南アフリカ、モザンビーク、マダガスカル、ブラジル、オーストラリア、南極など。

    包括的地球科学コースの分析装置と主な使用目的。ここの使用目的は一例で、その他様々な分析に対応できます。これらの装置を用いた精密分析の前処理機器や岩石切断・粉砕・溶融、各種顕微鏡など実験環境も整っています。

♦ 修了後の進路

課程修了生や博士研究員は、本コースでの研究・教育過程を終え、大学の地球科学教室の教員や研究員、産業技術総合研究所の研究員など、実際に専門分野を職業とする人も多くいます。また、石油天然ガス・金属鉱物資源機構やマリンワークジャパンに就職し、養った語学力やフィールドマネージメント能力を遺憾なく発揮している修了生、また、小・中学校教員として若き地球科学者の卵を育成する人もいます。留学生は修了後、母国の大学教員として本コースで学んだ事柄を学生に教育する責務を全うしています。このように包括的地球科学コースでは、2~5年間という短期間において各界で活躍する地球科学者の育成を行っています。

地質学の野外実習の様子 地球物理学の野外実習の様子
♦ ここが魅力

地球には、まだまだ解明されていない事柄がたくさん眠っています。というよりも、きっと私たちは地球の歩んできた歴史の一部しか理解していません。人間の体についた深い傷が一生残るように、地球に生じた変動過程はどこかしらの地質体に その“痕跡”が眠っています。包括的地球科学コースには、様々な学問分野がありますが、それぞれが、その“痕跡”の発見を目指し、日々研究・教育活動を行っています。国内・海外のフィールドで実際に地球を観察し、最先端の分析装置を用いてデータを取得する。得られた解析結果を仲間や教員と時に楽しく、時にシビアにディスカッションし、自らの発見を科学誌に残す。これを可能とするのが「多様なフィールド」「最先端分析装置」「少人数制」であり、地球社会統合科学府・包括的地球科学コースにしかない大きな魅力です。また,本コースには国立極地研究所から、3名の客員教員を迎えており、未だ謎だらけの南極をフィールドとした地質学的・地球物理学的・岩石学的・鉱物学的な研究を行うことも可能です。

♢ 教員一覧
氏名 職位 専門分野 キーワード
小山内康人 教授 地質学,岩石学
大野 正夫 教授 地球物理学 地球磁場変動、古気候・古環境変動、古地磁気学、岩石磁気学、考古地磁気学
桑原 義博 教授 鉱物学 環境鉱物学 鉱物ー水相互作用、溶解、結晶成長、原子間力顕微鏡、表面科学、粘土鉱物、古気候・古環境変動
仙田 量子 准教授 固体地球化学、文化財科学 化学組成分析、同位体分析、年代測定、地球内部進化
中野 伸彦 講師 地質学・岩石学 大陸衝突・テクトニクス・アジア
林 辰弥 助教 微化石学 湖沼珪藻分類・生態・進化、古気候・古環境変動、モンスーン変動、北半球の氷床化
野木 義史 客員教授 固体地球物理学、テクトニクス、地球内部電磁気学 地磁気異常、重力異常、海底地形、大陸分裂、ゴンドワナ、テクトニクス、海嶺、プリューム
外田 智千 客員准教授 地質学、岩石学 大陸地殻、変成作用、U-Pb年代、南極、ゴンドワナ、副次鉱物、地殻の融解、火成作用
本吉 洋一 客員教授 地質学、岩石学、鉱物学 グラニュライト、超高温変成作用、大陸地殻、ゴンドワナ超大陸