九州大学大学院 地球社会統合科学府 Graduate School of Integrated Sciences for Global Society

学府について

学府の特色

KEYWORDのスペクトラムに表現された研究領域を6つのコースに編成
包括的生物環境科学コース

包括的生物環境科学コースでは、生物多様性、環境をキーワードに、生物多様性の創出・生物多様性保全・人の環境への適応・環境保全政策をテーマに掲げ研究を行っています。生物多様性、環境に関わる多様な分野を包括的に理解することにより、危急の課題である地球環境問題の解決と新しい環境科学の追究に取り組んでいます。

♦ フィールドワーク重視 〜伊都キャンパスから熱帯まで〜

アジアを中心に生物多様性科学・文化生態・熱帯林環境保全・環境政策、それぞれの分野で国内、海外で様々な調査活動をおこなっています。

  1. 生物多様性科学・生物インベントリー科学

    節足動物、鳥類、は虫類、ほ乳類、樹木、土壌微生物など幅広い分類群の生物を対象としており、様々なアプローチから生物多様性の解明を目指します。

    節足動物、鳥類、ほ乳類、植物、土壌微生物など多様な生物を研究対象としています。 森林やその周辺地域で生計を営む地域住民の聞き取り調査などの現地調査や地理情報システム(GIS)を使った土地利用の動態解析通して環境問題の現状を把握し、人類の環境適応、環境政策のあり方について研究しています。
  2. 熱帯林環境保全

    東南アジアや東アジアを中心に、森林とその周辺地域における自然資源管理のあり方を、村落へのフィールドワーク、政策研究や文献調査をもとに行っています。

  3. 環境政策学

    地域、特に都市で生起する環境問題のうち、地球温暖化に焦点をあて、この問題を解決するための各種の政策について先進的な取り組みを行っている欧州を中心に、政策研究を行っています。

♦ 包括的生物環境科学コースでは何が学べる?

地球環境問題が人類全体の問題として捉えられるようになり、多くのメディアで世界の危機的状況が伝えられる中、生物多様性、環境問題に関心をもつ人も増えつつあります。環境問題の多くが人間活動に起因する以上、この問題を解決には、自然科学分野の研究だけでなく、環境と人間の関わりも含め多角的な視野をもって問題を捉えることが必要になります。本コースでは、学生のみなさんにそれぞれの研究の主軸となる分野の知識を深めるだけでなく、生物学、地理学、政治学など幅広い分野の学問の基礎知識や理論を学べる機会を提供しています。

  1. 主な分野

    分類学、系統学、インベントリー科学、系統地理学、集団遺伝学、行動生態学、分子進化学、保全生物学、群集生態学、環境微生物学、熱帯林環境保全学、環境政策学、地理学など。

  2. 世界がフィールド。こだわりとオリジナリティのある研究を!
    伊都キャンパス多様性ゾーンでの学生によるインベントリー調査

    もうひとつ、本コースが重視しているのは、現場主義と対象へのこだわりです。研究にとって大切なのはオリジナリティです。オリジナリティのある研究をするためには、自らの発想を大切にして研究を構想するとともに、フィールドに足を運び自ら対象を観察してデータを集めることが不可欠です。フィールドワークを通じ、複雑な事象の中に潜む問題を発見する観察力、想像力、洞察力を養い、問題を顕在化するために必要なデータ収集、分析のスキルを養ってもらいたいと考えています。

♦ 修了後の進路

これまでも私たちの研究室で学んだ多くの学生が、世界中のフィールドにでかけ、重要な研究成果を挙げてきました。修了生の中には大学や企業、独立行政法人の研究施設などで実際に研究職に就いた方を輩出しています。進化とは何か、あるいは種とは何か、実際に種をどのように分けるのがよいかといった生物哲学に関わるような問題から、環境政策の実現可能性や地球環境の未来像を構想する問題解決型の研究まで、生物多様性と環境、環境と人類から広がる多彩な興味を育みながら、自立したオリジナリティのある研究者を育成したいと考えています。

♦ ここが魅力
国立科学博物館の鳥類標本庫

包括的生物環境科学コースは、生物学の諸課題に主な焦点をあてながらも、同時に生物圏のなかの人間という存在にも注目し、現代の環境問題や、人間とその他の生物との共存、人類の環境適応といった「人間くさい」諸問題にも取り組むことができるコースです。生物学、地理学、政治学、森林科学などの学問分野のぶつかり合いによって、従来はなかった独創的な研究が生まれることが期待されます。また、本コースでは、3名の教員を独立行政法人国立科学博物館から迎えています。日本では数少ない「生物インベントリー科学」分野の専門家です。希望すれば、同博物館の研究室で博物館の標本や資料を使って、研究を進めることもできます。大自然のなかで生物の系統分類や生物地理、行動や生態などを研究したい人、生態系の保全に取り組みたい人、人と環境の関わり、環境政策を学びたい人など、自ら積極的に研究していこうという意欲にあふれた方は大歓迎です。私たちと一緒に研究生活を送りませんか?

♢ 教員一覧
画像 氏名 職位 専門分野 キーワード
阿部 芳久 教授 生物多様性科学(生物体系学、生物地理学、生態学) タマバチ、ゴール、分類学、系統学、生態学、寄生、共生、種分化
荒谷 邦雄 教授 昆虫学
山下 潤 教授 環境地理学,地域計画論,地理情報科学
楠見 淳子 准教授 分子進化学、集団遺伝学 遺伝的多様性、集団遺伝、分子進化、分子系統、共進化
舘 卓司 准教授 昆虫学,体系学,形態学,分子系統学 双翅目,捕食寄生者,ヤドリバエ科,寄主選好性, 安定同位体(炭素と窒素)
百村 帝彦 准教授 熱帯林環境保全学、森林政策、自然資源管理 東南アジア、地域住民、森林管理
三島 美佐子 准教授 植物系統学     
松元 賢 准教授 環境微生物学
藤岡 悠一郎 講師 地理学,景観生態学,アフリカ地域研究 植生,自然資源利用,生物多様性保全,景観分類,生業変容,アグロフォレスト,農村開発,アフリカ
松尾 和典 助教 昆虫学  
小川 浩太 助教 昆虫科学, 進化生物学 表現型可塑性, 進化, 形態, 多様性, ゲノム, 昆虫, アブラムシ, 透明化, イメージング, 共焦点顕微鏡, 多光子顕微鏡
野村 周平 客員教授 昆虫学 分類学 生物多様性
西海 功 客員教授 鳥類学、分子生態学、系統地理学
井手 竜也 客員准教授 昆虫学(分類、系統、生態)