KEYWORDのスペクトラムに表現された研究領域を6つのコースに編成
大学院の演習の後の一コマ
国際協調・安全構築コースでは、地球社会の安全という観点から、公正で持続可能な世界の実現に寄与すべく、理論的、歴史的、ならびに実践的な研究や教育を行っています。
本コースが重点を置くのは、「問題解決型アプローチ」です。人間社会はもともと多くの要素が絡まる多面的なものですし、特に、現代世界は非常に複雑化しています。それゆえ諸問題の解決のためには、様々な学問分野の連携や統合的知識が必要となってきます。例えば、ある新興国の産業を発展させ、豊かで平等な社会を建設するという目標について考えてみましょう。この課題の実現のためには、経済学や経営学だけでなく、その国の政治や福祉のあり方も学ぶ必要があります。歴史や文化も関係してきますし、近隣諸国との国際関係に関する知識や、科学技術や環境についての知識も重要です。これら様々な分野の知識を有機的に結びつけ、問題を多面的に見つめる必要があります。
本コースでは、学府の理念でもある「統合的学際性」を旗印に、多様な角度から現代社会に切り結んでいます。具体的には、下記のような多様な分野を学ぶことができます。
私たちの研究室を巣立った修了生の進路は多岐にわたっています。研究を続け、国公立大学、私立大学の研究・教育職に就いた修了生も多数います。例えばここ数年では、名古屋大学や新潟大学、近隣の福岡大学などで研究・教育に従事しています。留学生を中心に外国の大学に勤務する者も少なくありません。国家公務員、地方公務員などの官公庁、ならびにビジネスの世界で、統合的学際性に基づく「問題解決型アプローチ」を活かし活躍する先輩方も数多くいます。
国際協調・安全構築コースには、多くの魅力があります。いくつか取り上げてみましょう。
例えば、これまで述べてきたように問題解決型アプローチをとり、既存の学問分野の枠に留まらない学際的研究が進められる点です。複雑化した現代世界の諸問題は、政治学や経済学、地理学といった既存の一つの学問分野ではなかなか論じきることができません。また理論研究(文献研究)だけ、あるいはフィールドに即した実践的研究だけといった限定的手法だけでは立ちいかず、複合的な手法をとる必要が生じる場合が少なくありません。本コースでは、多様な学問分野や様々な研究手法を柔軟に学び、身に付けることが可能です。
第二に、各分野の研究の第一線でそれぞれ活躍する個性豊かな教員が揃っていることです。複雑な現代世界の問題を理解し考察するためには、ものごとを多面的にとらえる必要があります。本コースでは、様々な経歴を持ち、多様な考え方や強みを持つ教員の授業や研究指導を受けることが可能です。また実際に政策形成の現場に関わっている教員や、論壇で積極的に発言している教員もおり、各自の研究の社会的意義を検討する機会にも恵まれています。
第三に、これは地球社会統合科学府全体にいえることですが、教育・研究をサポートするしっかりとした体制が整っていることです。チュートリアル制度、指導教員制度、「ポートフォリオシステム」(研究の進展具合をオンラインで管理するシステム)、「学会報告支援事業」(学会報告の際の旅費等の一部経費を助成する制度)などがあります。
この他にも、各教員がそれぞれ独自に教育上の工夫や取り組みを行っておりますので、各教員に直接問い合わせてみてください。
International Program
氏名 | 職位 | 専門分野 | キーワード |
---|---|---|---|
施 光恒 | 教授 | 政治理論、政治哲学、人権論 | |
岡﨑 晴輝 | 教授 | 政治理論・比較政治学 | 市民自治・選挙制度 |
松井 康浩 | 教授 | 政治社会史 国際関係論 | 歴史学、エゴドキュメント、グローバル・ガヴァナンス、国際倫理学、グローバルな正義、異論派、市民社会、公共圏、コミュニティ |
益尾 知佐子 | 教授 | 中国、政治、外交、東アジアの国際関係、冷戦史 | |
三輪 宗弘 | 教授 | 経営史 石油・石炭産業 軍事史 太平洋戦争 公文書の廃棄・選別 | |
稲葉 美由紀 | 教授 | 国際社会福祉、社会開発、公共政策、開発援助、ジェロントロジー(老年学) | |
山尾 大 | 准教授 | イラク政治、中東政治、比較政治学 | |
堀井 伸浩 | 准教授 | 中国エネルギー産業分析、中国の大気汚染問題、産業経済論、環境経済学 | |
阿部 康久 | 准教授 | 経済地理学、人文地理学、 | 中国の産業立地、人口移動、中国人移民の研究 |
山本 明日香 | 講師 | 開発経済学、インド経済論 | インド、宗教、マイクロデータ、実証分析 |