KEYWORDのスペクトラムに表現された研究領域を6つのコースに編成
言語・メデイア・コミュニケ-ションコースでは、日本語・外国語・文芸・メディアに関する研究を行います。これまでの歴史を踏まえた上で、現代社会における情報伝達・コミュニケーションをめぐる諸問題などに取り組みます。
メディアが高度に細分化した現代において、情報伝達に関する知識が必要とされます。未来のコミュニケーションのあるべき姿が模索される中で、その探求領域はますます広がっています。言語を媒介とする日常的なコミュニケーションにとどまらず、詩や文章(散文)、小説だけでなく、映画、マンガ、アニメ、ドラマといった分野までが対象となります。
コースは主に「言語」と「文芸」の分野から構成されています。
言語コミュニケーション・言語教育分野では文献調査のみならず、教室活動や実践的活動の参与観察などを行うフィールド調査、国内外における各言語の母語話者や学習者を対象としたアンケート調査などに加えて、談話分析等、幅広い分野にわたる調査手法を用いて、研究を行います。
文芸分野では古典から近現代に至る文芸・文学作品はもちろん、古文書等の様々なテキストの講読、国内外の図書館やインターネットによる資料の収集、およびその分析を通して、日本、中国、韓国、欧米等の広範にわたる文芸のあり方について検討します。
実践を通して、コミュニケーション能力の獲得と社会的相互理解の実現へ
大学院全体の教育メニューのほかに、コースの教育は、複数の教員で担当する総合演習と、教員個々人が担当する専門科目から構成されています。総合演習は、言語・文学についての考察や多様なメディア(映画、写真、マンガ、アニメ等)によるコミュニケーションのプロセスを学際的に解明します。専門科目においては講義・演習のみならず、実践的な内容の教育手法も組み込まれています。
実践的な研究活動
ディベート活動やテレビドラマの談話行動の分析、ディベートやコミュニケーションストラテジーの指導方法の考案、様々な言語教育活動や人間の言語行動の分析・解明を通しての外国語教育現場への応用、留学生の家族を対象とした日本語教室の開設による実践からの日本語教育実習。
国内各地の文献調査、研究成果の学会発表、海外における文献・資料調査や研究交流、外国語(中国語、韓国語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語)による国際学会での研究発表、各種文献の目録等の作成、部局間交流協定校と推進する共同研究、各種学会・研究会の企画・運営、研究雑誌の編纂。
こうした探求は、社会的共存に不可欠な相互理解を生み出す方法の開発をめざすというコースの目標にそったものとなっています。
Literature & Culture field
修了者の多くは、国内外の大学、高等学校、日本語学校、国際交流基金、国内の大手企業や海外の日系企業などに就職して活躍しています。言語・メディアを通して、自分の関心に即したさまざまな領域の研究に触れることで、将来の自分にとって必要となるコミュニケーションのスキルを習得してもらいたいと思っています。
本コースでは、人類共通の未来構想のために、コミュニケーションを通して相互理解を深めることが重要であると考えます。そうした目標のもとで探求を続けながら、混迷を深めつつある現状にたいし、新しい可能性の提示を試みようとしています。目指すのは、広義のコミュニケーション研究(文学・外国語学・日本語学・言語学・人文社会科学)の総合化を牽引する研究者や、そうした方法を様々な現場で適切に実践できる、総合的な能力を備えた高度専門職業人の育成です。
International Program
氏名 | 職位 | 専門分野 | キーワード |
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松永 典子 | 教授 | 多文化共生教育論、日本語教育学、教育史、異文化交流論 | 日本語教育、多文化共生教育、言語教育、教育史 |
李 相穆 | 教授 | 教育工学、日本語教育、韓国語教育、e-learning | |
郭 俊海 | 教授 | 第二言語習得(日本語教育)・バイリンガル教育・言語政策 | |
東 英寿 | 教授 | 中国文学 | Ou yang Xiu, Tu jia Zu, Study of Chinese classics in Satsuma |
秋吉 收 | 教授 | 中国近代文学,日中比較文学 | |
波潟 剛 | 教授 | 日本近現代文学・比較文学 | |
倉方 健作 | 教授 | フランス文学、フランス文化、比較文学 | |
大津 隆広 | 教授 | 英語学、認知語用論、コーパス語用論、関連性理論 | コミュニケーション、認知、関連性、談話標識 |
大神 智春 | 教授 | 日本語教育学、第二言語習得(日本語教育) | 日本語教育、言語学習、語彙習得 |
志水 俊広 | 准教授 | 第二言語習得 | |
Andrew Hall | 准教授 | 日本近代史 | |
辻野 裕紀 | 准教授 | 言語学,韓国語学,音韻論,言語思想論 | |
内田 諭 | 准教授 | 英語学(特に認知意味論、語用論、辞書学) | |
土屋 智行 | 准教授 | コーパス言語学、構文文法論 | 慣習的・定型的な表現(ことわざ、慣用句、イディオムをはじめ、口癖やよくある言い回しにいたるまで) |
朱 冰 | 准教授 | 認知・機能主義的言語学、中国語学 | 文法化、モダリティ、構文文法、談話標識、(間)主観性 |
和田 崇 | 准教授 | 日本近現代文学・比較文学 | プロレタリア,大衆,社会主義,国際文化交流,翻訳 |
松枝 佳奈 | 講師 | 日本近現代文学・比較文学 | 文学者の対外認識、文学における外国表象、文学とマスメディア、文学と社会 |