わたる と はやて <大学院博士課程編>

  佐野 亘   Wataru Sano
 沿岸域の浅瀬には「海草藻場(seagrass bed, seagrass meadow)」と呼ばれるアマモなどの海草が群落を形成する場所があります.海草によって海底に草原のような場所が形成されることで,魚類や底生生物の住処・産卵の場となり,海草を直接餌とするウミガメやジュゴンなどの貴重な生物の生息域にもなります.また近年では,海草が空気中や海水中から取り込んだCO2を有機炭素として底質中に隔離・貯蓄する機能が注目されています。このように沿岸浅海底に貯蓄された炭素はブルーカーボンと呼ばれ,生物圏の炭素循環において大きな役割を担っています。
    私はサンゴ礁や干潟などの海草藻場でボーリング調査を行いその場所の地形形成プロセスと関連付けながら,海草が過去いつ頃からその場所に生息していたのか,過去から現在にかけて干潟やサンゴ礁でどのような環境変化が起こってきたのかを調査しています.数十年から数千年と幅広い時間規模で形成される海草藻場の価値を生態学・地質学的なアプローチの研究から明らかにしていきたいと考えています。
Keyword:海草藻場,底生有孔虫,サンゴ,ブルーカーボン,14C年代測定,ボーリング
※調査活動は、研究目的としての許可を得て行っています。
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