わたる と はやて <大学院博士課程編>

 
こんにちは。
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  佐野 亘   _WATARU Sano  
  ▶ 大学院博士後期課程  
  ▶ 日本学術振興会特別研究員 DC1  
   首都大学 都市環境学部 分子応用化学コース卒。現在、九州大学大学院地球社会統合科学府に所属。趣味はダイビングとスポーツ観戦(サッカー、NBA、NFL、F1、ボクシングなど)。工学系の応用化学出身ですが、自然が好きで学部生時代にアラスカやサハラ砂漠、沖縄のサンゴ礁などを見てまわったことがきっかけで、大学院から自然科学の研究がしたいと思い転身しました。  
■ 子どもの頃は
ー 実家から徒歩5分の場所に駿河湾に面した海岸があり、小さいころから海岸で流木や貝殻を拾って遊んでいました。また父親がサーフィンをしていて、それによくついて行っていました。高校生から大学の学部生の頃は海よりも山登りやキャンプが好きでよく行っていましたが、大学院で研究を初めてからはまた海が大好きになっています。
 
■ 研究者を目指すようになったきっかけ
ー 研究者を目指すきっかけはお世話になっている先生方を見て、ですね。さまざまなプロジェクトにおいてサイエンスの業界だけでなく社会全体に対してインパクトのある研究をしている先生方を見て、憧れを抱きました。大学院に入ったばかりの頃は研究者を目指す自信はありませんでした。うちの研究室は研究内容を自分で切り拓いていくスタイルなので、試行錯誤していくうちにどんどんのめり込んでいきました。今ではこの研究は自分に合っているし、自分にしかできないな(笑)とも思います。
 
■ 現在取り組んでいる研究について
ー サンゴ礁や干潟などの海草藻場でボーリング調査を行いその場所の地形形成プロセスと関連付けながら、海草が過去いつ頃からその場所に生息していたのか、過去から現在にかけて干潟やサンゴ礁でどのような環境変化が起こってきたのかを調査しています。数十年から数千年と幅広い時間規模で形成される海草藻場の価値を生態学・地質学的なアプローチの研究から明らかにしていきたいと考えています。   (左) 沖縄の海で採取した堆積物。現代から3000年ほど前の層を調べていきます
 
■ この研究の面白さ
ー サンゴ礁や海草藻場では生物活動がその場所の環境・地形の形成に大きな影響を及ぼします。このような場所が過去数千年にわたってどのように変化し現在に至るのかを理解することは、長くても百年くらいしか生きられない我々にとって、今その場所にある地形や生態系を大切にする理由を知る手がかりになると思います。この研究からは、今ある自然の姿がどうやってできたのかを知ることができること、そこから驚異的な自然の力を感じ取ることができることに面白さを感じています。 (右) 相棒とも言える顕微鏡と、拡大して映し出されたサンゴや砂
 
■ 普段の研究活動

私の研究は干潟や海底(最大25mくらい)で堆積物コアを採取することから始まります。水中でボーリングコアを掘るのはかなり大変ですが、取ってしまえばあとは実験室での作業です。砂の中から貝殻やサンゴ、有孔虫化石などを探しだします。有効な環境指標として用いることができる有孔虫化石ですが、大きさは0.5mmくらいしかないので顕微鏡を用いて砂の中から一粒一粒探していきます。

   
 
■ 今後の研究について
研究対象としている海草藻場は近年、地球温暖化に対して重要な場所であるとして注目が高まっている場所でもあります。海草は空気中や海水中から取り込んだCO2を有機炭素として堆積物中に隔離・貯蓄する機能を持ち、このように沿岸浅海底に貯蓄された炭素はブルーカーボンと呼ばれます。

これまで私が調査を行なってきた海草藻場にはどれほど炭素が蓄えられているのか、これを明らかにすることを今後興味を持って取り組んでいきたいと思っています。

 
※調査活動は、研究目的としての許可を得て行っています。
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