社会連携、刊行物

2023-05-23 重要 新任教員セミナーが行われます! 6/2, 6/9

新任教員セミナー2023

この度我々の学府に新たに5人の教員をお迎えすることになり,下記の日程(6/2, 6/9)の二日に分けてセミナーを開催することになりました.なお,このセミナーは学生の方々も参加可能ですので,是非ご参加ください.

 

日時 6月2日(金)14:50~

場所 イースト一号館 E-C-203

 

・土屋 智行(言語・メディア・コミュニケーションコース)

創造性の基盤としての定型性: 「研究って、すごく密なので」を考える

 人は慣用句、ことわざ、決まり文句等の定型的な表現を、創造的に活用しながらコミュニケーションをとっている。定型表現を基盤とした創造的な言語使用にはさまざまなパターンが存在し、また多様なコミュニケーション的機能を担っている。本発表は、これらのパターンや機能の紹介を通して、人の言語の記憶や、社会におけるコミュニケーションのネットワークの諸相について考える。

 

・大津 隆広(言語・メディア・コミュニケーションコース)

関連性理論と談話標識

 認知語用理論である関連性理論(Relevance Theory)は、談話標識(discourse marker)に関する2つのトピックをうまく説明することができます。まず、類似のカテゴリーに含まれる談話標識の意味の区別です。日英語のカウンターパートとしての談話標識であるafter allと「だって」はともに理由説明という共通のスピーチアクトカテゴリーに含まれ、結束性の点でも類似していますが、それらの意味の違いは手続き的制約(procedural constraint)の点から区別することができます。もう一つは、談話標識を含む手続き的表現(procedural expression)の連続使用について、それらの順序の動因を説明することができます。言語データを観察すると手続き的表現はしばしば組み合わされて使用されることがわかります。その組み合わせには、パターンや順序がありますが、語用論モジュールの活性化の点から説明が可能だと考えます。

 

・渡部 哲史(包括的東アジア・日本研究コース)

みずから始める学際研究

 発表者は水文学,特に気候変動,人口減少下での水災害,水資源,水環境に関する研究を進めてきた.水に関する問題は食料やエネルギーに関する問題であり,またその逆も然りである.水に関する研究は様々な分野とつながっており,様々な研究をつなげるキーワードである.本発表では,水という観点から自ら学際研究を進めてきた経験と今後の展望について紹介する.

 

 

日時 6月9日(金)14:50〜

場所 イースト一号館 E-C-203

 

・大神 智春(言語・メディア・コミュニケーションコース)

日本語学習者を対象とした多義語コロケーション習得研究

 日本語教育における漢字・語彙やコロケーションの教材作成を支える基礎研究として、日本語学習者がコロケーションをどのように習得していくかについて研究を行っている。コロケーションとは「計画を立てる」「傘をさす」のようにまとまって使用される語の連鎖のことである。今回は多義動詞を中心語とするコロケーションの習得研究について紹介する。

 

・木土 博成(包括的東アジア・日本研究コース)

「通信使淀城下到着図」を見つめる

 江戸時代には、来日した朝鮮通信使を詳細に観察し、記録や絵図に残した日本人がいました。そのなかでも、一際すぐれた観察眼をもった渡辺善右衛門(1701-1761)という淀藩士に注目します。様々な分野の専門家の皆さんと一緒に、彼の描いた絵図をじっくり見つめ、江戸中期を生きた人間の視点に迫ります。