九州大学浅海底フロンティアセンター

               

研究機器

1.ワイドバンドマルチビーム測深機:R2Sonic 2022

 マルチビーム測深機は,船から海底に向けて扇状に広がるビームを発振し、広く海底地形を測深する装置です。R2Sonic2022は,200~400kHzの周波数とスワッス幅10~160°を任意に設定可能で,周波数400kHzを使用した場合には幅1°の分解能をもつ256本のビームを1秒間に数回~20回海底に照射します。一度に測深可能な幅は水深によって異なりますが,水深10mで幅100m程度,水深100mで幅200m程度の地形情報を得ることができます。慣性GPSジャイロ(POS/MV Applanix Surfmaster)が測深時の位置を高精度で測位し,装置の動揺を瞬時に補正します。
 この測深機にはサイドスキャンソナーとして機能する反射強度オプション(TruePix)を装備していますので,底質など海底や水中の状態を確認することが可能です。さらに,Water Columnデータも収集できるオプションを装備していますので,水中のプリュームや躍層など水塊構造の把握も可能です。

2.浅海用曳航式サイドスキャンソナー:StarFish 452F

 高精細な水中イメージを取得でき、底質(泥・砂・礫など)の判別が可能な曳航式のサイドスキャンソナーです。

3.超小型水中音響測位装置:SeaTrac X150,X010

 SeaTracは、ダイバーやROVなどに装着可能な超小型の水中音響測位装置です。X150にはMEMSジャイロ、加速度計、磁力計が内蔵されており、ロール/ピッチ/ヨーの情報を取得することが可能です。

4.水陸両用ボーリング機: 株式会社ジオアクト(GeoAct Co. Ltd. )特注品, Diver-operated submersible KAN-type hydraulic drill

 株式会社ジオアクトとともに開発した日本で唯一の水陸両用油圧式ボーリング機です。主に船上の油圧ユニットと水中でドリルビットを回転させる油圧モーターなどで構成されています。海底に設置した掘削用マストで水中部の油圧モーターやロッドを上下動しながら掘削します。

5.リアルタイムキネマティック(Realtime Kinematic: RTK)測量器: ProMark 120, L1/L2 GPS/GLONASS

 2周波対応のRTK測量器です。2台の測量器をそれぞれ基準局と移動局として利用し,電子基準点を参照した後処理を施した場合,水平精度 5mm, 垂直精度 10mmの測量が可能です。単体をハンドヘルドで使用することも可能ですが,その場合の精度はリアルタイム50cm, 後処理後30cm程度です。

6.航空写真測量:Phantom 4 RTK + D-RTK COMBO

 位置情報を持った航空写真測量が可能なRTKドローンです。
 cmレベルの測位データをリアルタイムに提供し、画像メタデータの絶対精度を向上させるRTKモジュール、信号の弱い地域での飛行安定性を維持するGNSSモジュールにより、飛行安全性を最適化しながら正確なデータ取得を可能にします。

7.低真空分析電子顕微鏡(SEM-EDS):JEOL JSM-6390LA

 非破壊・非蒸着にて,試料の高倍率観察と微小領域の元素分析が可能な電子顕微鏡です。後方散乱電子(BSE)像に加えて,高真空時は二次電子(SEM)像での観察ができます。3軸モーター駆動ステージおよび画像を基に視野移動を行うステージナビゲーションシステムを装備しており,視野探しが極めてスムースです。エネルギー分散型X線分析装置を用いた元素分析では,元素分布の広領域マッピングも可能です。

8.低真空分析走査電子顕微鏡:JEOL JSM-IT500LA

 非破壊・非蒸着にて,試料の高倍率観察と微小領域の元素分析が可能な電子顕微鏡です。ホルダーグラフィックやCCD画像から視野探しや分析位置指定が素早く容易にできます。低真空二次電子像により、低真空モードでも鮮明に表面観察することができます。また、観察画面上で常に測定視野の特性X線スペクトル、自動定性分析結果、主元素を表示することができます。定性・定量分析のほか、線分析、元素マッピング、粒子解析、プレイバック分析も可能です。データ管理アイコンや測定済みデータ一覧から、データの見直しや再解析およびSEM像から分析まで全データのレポート一括作成が行えます。最大200mm径までの試料を測定できます。

9.デジタルマイクロスコープ:KEYENCE VHX-6000

 スイングヘッドズームレンズ(VH-ZST)によって,20~2000倍の高倍率・高解像度観察が可能です。フリーアングル観察システムと高精度XYZ電動ステージを装備しており,観察のしやすさも抜群です。

10.X線回折装置:Rigaku MiniFlexII

 試料の構成成分(鉱物の結晶など)の同定を行う装置です。無機・有機物質の粉末試料の分析を基本としますが,高分子材料,タンパク質,金属,有機・無機薄膜なども測定可能です。試料の調製(試料台へのセット方法など)や測定条件を工夫することによって,バルク試料の非破壊分析や紙・フィルム・繊維試料の測定および解析も可能です。半導体高速1次元検出器(D/teX Ultra2)を搭載し、高計数率・高エネルギー・低ノイズの高速測定を可能としています。

PAGE TOP