2年間の国際教育研修、SENTAN-Qがやっと終わりました。先日、九大総長から修了証が授与されました。私は所属部局から言われ、教授昇任のために第1期生として参加しておりました。負荷が減ったので、今後はこのHPも再開します。
この研修は女性をメインターゲットとして、若手の男性も交えて実施されているものです。詳しくはプログラムのHPをご覧いただければと思いますが、なかなかメニューが豊富です。最もヘビーなのは、文系研究者が通常書かない英語の共著論文を、海外メンターおよび学生を交えて2本書くという点です(2本目は海外大学所属の学生を探す)。周りの文系教授の先生方が誰もやったことのないタスクを課されているわけで、絶海の孤島に海燕の巣を取りに行けと言われているのかなという気持ちで私はやっておりました。タスク全体を達成するために、私の場合は国内外の30人を超える研究者とコンタクトを取り、ご助力を賜りました。ご支援に深謝いたします。
もしかすると後進の方がいらっしゃるかもしれないので書いておきます。これ、とても時間がとられます。私の感覚だと勤務時間の4割くらいでしょうか(コロナの中で海外授業のアレンジをしたので、私は余計かかったかも)。使いようによってはよいトレーニングにもなるでしょう。でも、2年かけてやって3年目に1階級昇任できるという制度なので、昇進は5年後くらいかなという人がやるのがリーズナブル。逆に、もういつ上がってもおかしくない業績のある人がやるのは非合理です。
個人的には、国際コースを含む内外の学生をすでに10年以上指導してきて、他の教員より少なくない学生を常に抱え、国際的に注目される研究テーマに使命感を持って取り組み、恥ずかしくない数の業績を上げ、重要な国際会議に出て、各省庁や元大臣の方々からお仕事のご依頼をいただいている状況でこの研修の実施時間を捻出しなければならなかったのは、精神がもたないほど辛かったです。
なお、上記の形式は文系の現実に符合しないので、共著論文を一緒に書く「学生」の範囲に、新たに「ポスドク」を加えていただくよう総長に直談判いたしました。(思うところはいろいろありましたが、要求は1点に絞りました。)実現するとよいなと思っております。