九州大学 大学院比較社会文化研究院・地球社会統合科学府
桑原研究室 HP

milk_btn_prev.png

milk_btn_next.png

114-1409_IMG.JPG

私たちの研究室は、1999年から始まった、当時、九州大学大学院比較社会文化研究院(現 京都大学)の酒井治孝先生をリーダーとする「古カトマンズ湖国際学術掘削計画」に参加しています。このプロジェクトは、過去100万年間のインドモンスーン変動史およびヒマラヤ・チベット高原の上昇とモンスーン気候のリンケージの解明を目指して、中央ヒマラヤの南斜面に位置するカトマンズでボーリングし、得られたコア堆積物の分析・解析を行うという計画です。私たちは鉱物学の観点からコア堆積物の分析・解析を進めることでこのプロジェクトに参加協力していますが、このプロジェクトには、地質学,堆積学,古地磁気学、有機・無機地球化学、古生物学、花粉学など幅広い専門分野の国内外の多数の研究者が参加しており、学際的な研究が進められています。写真は、2000年に行ったカトマンズでのボーリング作業の様子を写したものです。

100-0012_IMG.JPG

ネパールの首都であるカトマンズは、昔は湖でした。従って、盆地の地下には、湖時代の堆積物が眠っています。この湖成堆積物には、ヒマラヤのテクトニクスと気候変動の記録が残されていると言われています。写真は、掘削されたコア堆積物です。このコア堆積物の中に、多くの情報が眠っているのです。

IMG_0710.JPG

IMG_0719.JPG

現地では、ボーリングだけでなく、野外調査も行います。2000年および2007年には、カトマンズ盆地内の地質調査はもちろん、植生調査や河川調査等も行いました。カトマンズ盆地の泥質堆積物は見た目が黒っぽく(写真)、現地では「カリマティ(黒い土)」と呼ばれています。カリマティは、珪藻や葉の化石、炭化した木片、有機物、リンを含む鉱物やカリを含む雲母(粘土)鉱物を多く含みます。農作物にはもってこいの土壌で、それは現地の人達もよく知っています。

100-0054_IMG.JPG

写真はスワヤンブナート寺院。世界遺産の一つです。伝説によれば、カトマンズが湖であった頃、スワヤンブナートの丘は小さな島で、そこにやってきた文殊菩薩(マンジュシュリー神)が、土地の人が湖に棲む大蛇に苦しめられているのを知り、剣で山を切り開いて湖とともに大蛇を消し去ったんだとか。伝説の真偽はさておき、湖の排水はいつ、どのように起きたのか?実は、このプロジェクトのボーリングと地質調査の結果から詳細が解りました。

_NowPrinting.jpg

_NowPrinting.jpg 

_NowPrinting.jpg 

_NowPrinting.jpg 

_NowPrinting.jpg_NowPrinting.jpg