活動報告

2015年6月26日(金)【プログラム授業】開発支援・人材育成事業における案件形成と事業運営手法
 修士2年のプログラム生を対象とし、6月26日に開発支援・人材育成事業における案件形成と事業運営手法についての講義を実施しました。

 

 国際協力機構(JICA)青年海外協力隊事務局 課長 吉田憲氏を招き、プログラム生が将来海外の開発支援事業や人材育成事業に携わる際に利用可能な実用的知識を身に付けることを目的として、PCM手法(プロジェクト計画立案手法)やJICAプロジェクトの実例に関して以下の内容の講義を行いました。

 

 

 最初にPCM手法についての説明がされました。PCM手法とは、開発援助プロジェクトの計画立案・ 実施・評価という一連のサイクルを「プロジェクト・デザイン・マトリックス (PDM) 」と呼ばれるプロジェクト概要表を用いて運営管理する手法です。PDMにはプロジェクトの構成要素である「目標」、「活動」、「投入」や、プロジェクトを取り巻く「外部条件」の論理的な相関関係が示されています。今回のPCM 手法の講義では参加型計画手法が用いられましたが、参加型計画手法ではワークショップ形式で援助側、被援助側双方の意見を平等に取り上げることで関係者が計画作成に参加できるという特徴があります。

 

 

 続いて、PCM手法により架空のハママス国農村の問題を解決するという、プログラム生参加型のワークショップが行なわれました。
ワークショップでは、プログラム生それぞれにアイデアを書くためのポストイットが配られ,無記名で記入したものをボードに貼り付けていきます。その後、プログラム生の間で一致した意見を元にグループ化し、整理しました。PCM手法では,関係者分析→問題分析→目的分析→プロジェクトの選択→PDM の作成、というステップに従うことで順を追って論理を組みたてられるようになっています。

 

 

 PCM手法をつかうことで、プログラム生は考えを整理していくことができます。それによって、各自の考えがどのように系統立てられるのかを理解し、本当に何が必要なのかを見極めることができます。その後、プロジェクトの計画から評価まで一連のサイクルを考えることで、一つステージが次のステージへの根拠を提供していく過程を理解しました。さらに、プログラム生は社会問題を解決するためには、チームで働くことが大切であること、プロジェクトを成功に導くためには多様な力が必要であることを学びました。

 


 最後にJICAが実際に取り組んだ課題とその解決のための方法が紹介されました。それを通してプログラム生は、実際の評価の仕方、構想の立て方、プロジェクトの実施の方法などについて、論理的な構想をどう問題解決のために使っていくのかなどを学びました。

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