活動報告

【プログラム授業】多文化共生・インバウンド政策提言フィールドワークin武雄
「多文化共生・インバウンド政策提言フィールドワークin武雄」が8月27-29日の三日間にわたり実施されました。本フィールドワークはフューチャーアジアプログラムの学生である山口祐香さんの企画によるもので、プログラム授業「九州のインバウンド ―地方からアジアの未来を考える」の一環として開催されました。

フィールドワーク第一日目には、まず参加学生全員で武雄図書館に赴き、全国初の「TSUTAYA図書館」として話題の施設の館内を見学しました。次に学生が2チームに分かれ、“インバウンド班”は武雄市歴史資料館学芸員の川副義敦先生への、“多文化共生班”はタイから移住された鈴木良太さま・ノイさまご夫妻へのヒアリング調査を行いました。川副先生からは武雄の郷土史や蘭学の受容に関するお話を、鈴木ご夫妻からは武雄での生活に関するお話や武雄とタイをつなぐ活動に関するお話を伺うことができました。

 

   

 

続いて全員で2015年に新築された武雄市役所の新庁舎を訪問し、小松政市長との対談を行いました。小松市長からは「便利さと自然環境」という観点から武雄市が持つさまざまな魅力についてご紹介いただきました。その中でもとくに“文化を大切にしない街は、いずれ衰退する”という持論を交えてお話いただいた文化政策に関する説明はとても印象に残るものでした。この後、学生が用意した観光政策や文化政策についての多くの質問に対するお答えも伺うことができました。

 

   

 

第一日目の夜には、会場を商工会議所に移して武雄市役所の皆様、住民の皆様との懇親会を行いました。この懇親会には武雄図書館にてご講義くださった川副先生や鈴木さまご夫妻、以前九大にも来ていただいた武雄市職員の中尾雅幸さまをはじめとする方々が15人近くお越しくださり、とても和気あいあいとした雰囲気の中で地元の方々と交流を深めることができました。

 

   

 

第二日目には、まず財政課の吉野さまより新庁舎の設計やコンセプトについてのご説明をいただいた後、庁舎内を見学させていただきました。見学にあたっては、議場などの普段はなかなか見る機会がない場所にも入ることができ、とても貴重な経験をさせていただきました。

 

   

 

次にインバウンド班は観光課の川浪さま、多文化共生班は企画政策課の朝重さまと筒井さま、市民協働課の田中さま、防災危機管理課の犬走さまへのヒアリング調査を行いました。ここでは、事前学習で用意した質問事項をもとにして、武雄市の施策に関するさまざまなお話を伺うことができました。

 

   

 

続いて班ごとにグループ活動を行いました。インバウンド班は車で長崎街道を経由して黒髪山付近まで行き、途中、御船山御苑や如蘭塾、各窯元などのさまざまな観光スポットの様子を車内から見物しました。多文化共生班は若木町へ行き、「土雑貨&カフェ つちのや」と「和樹(なごみのき)工房」を見学しました。

 

   

 

第二日目の最後には、「未来の街を描く交流座談会」と題して武雄高等学校の生徒のみなさまと一緒に交流会を兼ねたワークショップを開催しました。会の前半には、共創学部1年生の清原透子さんと地球社会統合科学府修士2年の坂井華海さんから大学・大学院での学生生活の様子や進路決定にあたってのアドバイスなどに関するプレゼンがあり、引き続き武雄高校3年生の星山真慶さまに、武雄高校と、高校で現在取り組まれている街おこしプロジェクト「私はたけ推し!」の紹介をしていただきました。会の後半には、高校生と大学生が一緒に街づくりの構想を考えるワークショップが行われました。2時間半という短い時間ではありましたが、お互いに親睦を深めることができ、とても有意義な機会とすることができたように思います。

 

   

 

最終日の第三日目には、市役所のホールにて本フィールドワークの集大成である公開提言発表会が開催されました。2日間のフィールドワークで得た知見を基にして、インバウンド班は「武雄「知のハブ」の形成 ―ICTの活用とインバウンド」というテーマで、多文化共生班は「武雄市のおける外国人移住者のニーズとその解決」というテーマでプレゼンを行いました。学生の発表の後には市民の方々や市町からの質問の時間が設けられ、活発な意見交換をすることができました。また、本発表会には小松市長や中尾さまのご尽力により、佐賀新聞やケーブルテレビも取材に来て下さいました。今回の発表はまだまだ詰めが甘い部分が多く、具体的な官学連携への道程は長いですが、この経験を糧とし、本プロジェクトの今後のさらなる深化・発展が望まれます。

 

   

 

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