活動報告

8月1日(水)研究調査旅費支援制度成果発表会
本報告会は本学府が実施する研究調査旅費支援制度(平成29年度)に採択された学生の調査内容や研究成果を広く知っていただくために企画されたもので、さまざまな専門分野の研究に取り組んでいる9名の学生さん(社会学専攻3名、言語教育専攻1名、文学専攻1名、生物学専攻4名)が昨年度の研究成果報告をしました。

本報告会は本学府が実施する研究調査旅費支援制度(平成29年度)に採択された学生の調査内容や研究成果を広く知っていただくために企画されたもので、さまざまな専門分野の研究に取り組んでいる9名の学生さん(社会学専攻3名、言語教育専攻1名、文学専攻1名、生物学専攻4名)が昨年度の研究成果報告をしました。

 

博士3年のXiaoyang Haoさんは、『Absence of Justice: How Sexual Violence Was Dealt with in the Kuomingtang Trials』と題した研究に関する報告をしました。同研究は第二次世界大戦での女性の性的暴力に関し、その法的扱いについて明確化することを目的としたもので、国民党の裁判においては性暴力の有罪判決率が低く、起訴された犯罪も最終的に可決されないことが多かった事実が明らかにされました。

博士2年のYuzen Huangさんは、『Reassessment of the Taxonomic Placement of Some Medinodexia Species』と題した研究に関する報告をしました。同研究は、近年台湾と日本において新たに記録されたヤドリバエMedinodexia属のうち、M. orinetalisおよびM. exiguaの分類学上の位置づけを明確化することを目的としたもので、現在までに台湾において、これらの系統分類に用いるための標本の採取が完了しています。

 

           

 

博士1年のKhadijah Omarさんは、『Japanese Languages Courses at Malaysian Public Universities』と題した研究に関する報告をしました。同研究はマレーシアにおける日本語教育について明らかにすることを目的とするもので、マレーシア国内の主要6大学の日本語コースにおける講師や学生の人口動態や、教授方法に関して調査することにより、同国の日本語教育の実態について明らかになりつつあります。

博士3年のSeán Hudsonさんは、『Studying Japanese Popular Cinema』と題した研究に関する報告をしました。同研究はスタジオジブリのアニメーションと1990年代~2000年代のJ-ホラー映画の分析を通じ、日本文化の世界展開が可能となった要因の考察を目的としたもので、現代日本のポピュラー文化が欧米の文化とも相通ずる世界観や表現方法を有していることが明らかにされました。

 

           

 

博士2年のYuslita Syafiaさんは、『How Ethnocentric Are Domestic and International Students in Java Island, Indonesia?』と題した研究に関する報告をしました。同研究は、ジャワ島の3都市におけるインドネシア人学生と外国人留学生を研究対象として多民族国家であるインドネシアにおける民族中心主義について考察するものであり、現在までに、これらの評価を行うための定性・定量データが多数得られつつあります。

博士2年の村岡敬明さんは、『沖縄県読谷村との社会連携プロジェクト~戦後沖縄史研究の成果事例の報告~』と題し、政治学の視点から戦後沖縄史を捉え直すことを目的とした研究に関して報告しました。同研究は沖縄読谷村に残る写真資料をデジタル化して保存することを趣旨とするもので、本研究に基づいて、現在までに6本の研究論文や3回の講演活動、9回のメディア取材を中心とする成果が発表されています。

 

           

 

修士2年のWu Yajiaoさんは、『日本産オニクワガタ属の分子系統解析』と題した研究に関して報告しました。同研究は属内の分類が未だに完成されていない日本産のオニクワガタの系統を分子系統解析の手法を用いて明らかにすることを目的としたもので、オニクワガタ屋久島亜種が独立種であり、南九州亜種は九州中部に生息する種と遺伝的に区別できないことが解明されました。

修士2年の許思寒さんは、『保護地体系の重複管理の実態と観光運営による地域住民への影響~中国剣門関観光景区における事例研究~』と題した研究に関して報告しました。同研究は中国の自然保護地体系の実態と、観光景区の運営が地域住民へ与える影響の解明を目的としたもので、剣門関景区における観光景区の設置が地域住民に正の影響とともに負の影響も与えていたことが明らかとなりました。

 

           

 

修士2年の王梓さんは、『中国産ヒラタクワガタ類の分子系統解析および比較形態的解析』と題した研究に関して報告しました。同研究は、中国各地に生息するヒラタクワガタの個体群間の系統関係の解明を目的としたもので、実施されたオスの大あごを中心とする形態解析によって、中国に生息するヒラタクワガタが2種類の遺伝的グループに分類できることが明らかにされました。

 

本発表会の最後に行われた表彰式では、村岡敬明さん(最優秀賞)、Seán Hudsonさん(優秀賞)、王梓さん(優良賞)の3名のみなさんが優秀発表者として表彰され、表彰状と記念品が贈呈されました。

本学府では、4月に研究調査旅費支援の対象となる研究課題を随時募集しています(今年度分は終了)。来年度も多彩な研究課題の応募が期待されます。

 

 

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