活動報告

2017年8月4日(金)【プログラム授業】大学における災害後の取り組み
 熊本地震の際に被災者支援を行った熊本学園大学社会福祉学部より中地重晴教授を講師に招き、 大きな災害が発生した際に大学としてどのような支援が可能なのか、実際の経験に 基づいた講義を通して学びました。

1.熊本地震の概要
 2016年4月14日夜に起きた震度7の前震・16日未明に起きた震度7の本震の他にも、震度6の地震が14日~16日に5回発生しました。
 また震度1以上の余震が長引きました。(14日以降1年間に4000回以上発生)
 熊本学園大学では、学生1名が亡くなり、キャンパスも被災しました。


2.熊本学園大学の避難所の運営
 熊本学園大学のグラウンドは地震発生時の避難場所には指定されていませんでしたが、M6.5の地震(前震)発生直後から地域の方々が集まり、独自に避難所を開設しました。
 知識や経験のある社会福祉学部の教員・学生を中心に、医療・介護専門職が24時間常駐して障害者も受け入れた避難所(後に「学園大方式」と呼ばれた)として、全国的に注目を集めました。
 一般の避難者には精神障害・発達障害・うつ等の方も含まれており、医師の巡回等で気付くことができ適切な対応が行われました。

 公的な避難所ではないことが柔軟な運営を可能にしました。
 ・規則は作らない(事態は常に動き、規則は守るためのエネルギーを要する)
 ・名簿は作らない(人数把握のみ、東日本大震災では不明者が多く必要だった)
 ・出入り自由、車中泊の方も炊き出しの利用可能

 多くの学生がボランティアとして運営に携わり、避難生活をしながら参加した学生も多かったそうです。学生達は皆、多くのことを学び得られた経験だったと語っていました。


3.ボランティアセンターの活動
 避難所が閉鎖された6月、ボランティアセンター準備室が開設されました。
 自主的にボランティア活動を続ける学生達を支援しています。
 「ボランティア 熊本学園大学の取り組み」
 https://kasesuru.jp/volunteer/vol-university/kumagaku/


4.震災の2次被害への取り組み
 震災の2次被害として、アスベスト問題・科学物質汚染などについて紹介していただきました。  地震による建物の倒壊や解体作業の際に適切な処理がされず、環境汚染を招く危険性があることを、過去の震災も含めて教えていただきました。

 

  


 最後に、阪神淡路大震災も経験された中地先生より「地震は忘れた頃にやってくる。普段から心掛けること」との言葉をいただきました。

 

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