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包括的東アジア・日本研究コース

氏名 中野 等(なかの ひとし)
専門分野 日本近世史
キーワード
講座
比較社会文化研究院 - 社会情報部門 - 歴史資料情報
研究内容 研究上の主たる関心の一つは日本の中近世移行期にあり、いわゆる戦国時代から江戸時代の前期を対象とする。太閤検地や朝鮮出兵といった豊臣政権の諸政策についての研究成果は一応『豊臣政権の対外侵略と太閤検地』(校倉書房)にまとめたが、現在はさらなる深化を期して諸々の分析を継続中である。たとえば日本近世の社会構造を規定する「兵農分離」概念の再検討や「朝鮮出兵」を契機とする国家観・世界観の変容の問題などが当面する大きな課題である。当面前者については封建制下の身分制をどう捉え直すか、後者についてはプレ「国民国家」のような概念の措定や朝鮮・対馬・琉球さらに「北方日本」などを対象に前近代国家におけるゾーンとしての「境界」(国境)の意味などを模索している。研究の今ひとつの、というよりは教育・社会活動にも大きな比重を持つ問題として、歴史資料学への関心ないしは責任がある。学問的な関心からは歴史資料を文献に限定する立場にはないが、専門性からいって対象は「古文書」等の文献や地図・絵図といった一部の図像資料が中心となる。もとより、研究上の関心はこれらの諸史料を十二分に解析する方法論の構築にあるが、教育・社会活動としてはフィールドでの史料調査、保存活動への積極的な関与をすすめている。史料調査・保存活動に学生と一緒に関わることで、大学と地域社会とをオープンな回路で結びつけ、結果地域社会への貢献を果たし、学生には実体験を通した教育の場を提供できると考えている。
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